"軍神の母 Gunshin no haha" (Mother of a war god), 1942 June 10

Date

1942 June 10

Summary

A kind, hardworking mother named Saku does all that she can without complaining to support her son Sadamu. Though they are poor, she convinces his father to send him to middle school, and when Sadamu decides to join the navy rather than supporting the family business, she allows him to do as he pleases. Sadamu eventually becomes one of the nine war gods who sacrificed their lives in the attack on Pearl Harbor.

The moral of the story is that mothers should be hardworking, stoic, and respectful. They should selflessly raise their sons well so that they may become war gods who will dedicate their lives to the empire.

Archival processing title

"軍神の母 Gunshin no haha" (Mother of a war god)

Creator/Contributor

Author

Suzuki, Noriko, 1909-1984

Transcription

Card 22
軍神の母
脚本　鈴木紀子
絵畫　野々口 重
製作　日本教育紙芝居協会
(表紙の説明) (題名読む) (さしこみぬく)
權現山、火山の頂きに、白い雪をのせたまま、 おそい春が、藏迫部落にも訪れて來た。 廣島市から、北へ約五十キロ、 海拔三百餘米の、高原の村にも、 靑い麥が芽もふきはじめたのである。
(ぬく)


Card 1
(村人)　　　　　
「市右衛門さん せいが出るのう。
時にお前さんとこの定さんが 中學へ上るといふ噂があるが、そりゃ ほんとうかのう。」
(市右衛門)
「なアに　子供のいふことなど途方もないことばかりだよ。」
(村人)
「定さんは今年も優等生ださうだがら、中學もいいが 何んといっても長男だからな。
學校がすんだらぜいぜい畑仕事を覚えさすことだ。
お互ひに子供を早く大きくして
少し樂をせんとなア　はははは。
ぢや、ごめんよ。」
(ぬく)


Card 2
（さく）
「お父さん私はやつぱり定を中學校へあげてやりたう思ひますけどなア。」
(市右衛門)
「だがなア、考へてみい。
手廣く商實をやってゐた昔ならいざしらず、 食ふだけにも足りない畑を耕してゐるやうな今の身分で無理な話だよ。」
（さく）
「無理なことは よくわかってゐますが、家の商賣が 駄目になったのも、 お父さんに 字が書けなかつたからですよ。
定ひとりぢゃない、私は子供たちには何んとしても一通りの教育を
受けさせてやりたいと思ひますよ。 私は どんな苦勞でもしますから、 ぜひ 定の言ふ通りにさせてやって下さい。学費の足りんとこは
何んとか働きますから……。」
（ぬく）


Card 3
剌すやうな冷いすきま風に、定はふと眼を覺した。 みると隣りの母の寢床はもう空になつてゐる。定がいよいよ中學へ行くときまった日から母はその學資を稼ぐため、田畑の仕事のほか、朝は二時間の早起き、夜は三時間の遅寢をして、内職のこうぞの皮をむきはじめたのである。
朝の早い 百姓家で 二時間の早起きといへば毎朝四時に起き出すことになる。
(定)
「お母さん すまないなァ。」
(スッとぬく)


Card 4
（さく)
「定もう起きたのか。
ゆうべはおそくまで入學試驗の勉强をしてゐたのに……。もうひとねむりした方がいいよ。」
(定)
「お母さん、僕も手傳ふよ。」
（さく)
「何をいふんだね定。
お前は お母さんのことなどかまはずに、好きな勉強を一生けんめいにしてゐればそれでいいんだよ。」
(定)
「だってお母さんは少ししきゃ 寢ないんだもの。 病氯にかったら 大へんだよ。」
(さく)
「病気になんかなるものかね。お前が中學へ入ってくれるのをたのしみにしているんだもの。」
(ぬく)


Card 5
こうぞの皮をはぐ母の指先に赤く血がにじんてゐる。 いつも身をもって、かばって下さるお母さん……。どんなに苦しくてもぐちひとつ言はずに、 だまって働く お母さん……。 やさしい、やさしいお母さん……。 ぐっとこみあげる感謝の涙が、 定の頰を濡らすのであった。
（ぬく)


Card 6
（老人）
「市右衞門さんとこも變ってゐるよ。 ふた親がはだしで働いてゐるのに、せがれは靴をはいてしゃつぼをがぶって新庄の中学へ通ってゐるんだからな。」
(老婆)
「市右衛門さんの定さんは お前さんとこの息子とは ちょっとできがちがふからのう、」
(老人)
「な、なんだって?」
(老婆)
「あれ怒ったのかね。
やれやれお前さんにはじょうだんも云へないよ。」
(ぬく)


Card 7
(定)
「お母さん どうしたんです。これは?」
(さく)
「畑がひまになったのでね、
少し製材會社の手傅ひをしやうと思ってね。 お前ゆふべおそくまでかかってゐた宿題は、 みんなあっていたかい?」
(定)
「はい。お母さんお母さんは、 僕が中学へ入つたためにこんな重い材木運びまでして……。」
(ぬく)


Card 8
道が暗い ひのき林のがけにさしかかると、定は こらへ切れなくなって、母の後て声をのんて泣いた。
(間)
それから五年間、
新庄中学を卒業するまで、同じ涙が幾度定の頬を傅はつたか知れない。
（ぬく）


Card 9
(隣家の女房)
「おさくさん、おめでたう。
「定さんも いい成績で卒業で、 あんたもこれて一安心ぢやなア。」
（さく)
「ほんたうに、皆さんの おがけで……。」
(隣家の女房)
「中學校もすんだし、定さんはこれから どうするつもりかのう。」
（さく）
「何んでも學校で可愛がって頂いたといふ先生のお家へ 泊りがけで行ったから 、何んとか決めて來ることだらうが……。」
(隣家の女房)
「これからあんたも樂がてきるて。」
(ぬく)


Card 10
（さく)
「どうしてまた、定が手紙なんぞ よこして―
用があつたらもどって來て言へばいいのに……。」
(市右衛門)
「おさく早く読んで聞かせてくれ。」
（間）
（さく）
「僕は小さい時から、海へのあこがれを 持ってゐました。
中學を無事卒藥した今、
海洋發展の重要性と
帝國海軍の立場を 深く考へます。
新庄中學からまだ
海軍々人が一人も出てゐません。 上田家からも 軍人を出して居りません。 幸ひ自分は體が丈夫ですから、海軍々人となって御奉公したいと思ひます。長男でよこさに申しにくいのですが 母上より よろしく父上にお願ひ下さって、この志望を何卒御許し下さるやうお願ひ申上ります。」
（ぬく）


Card 11
(市右衛門)
「何んといふことだ。
ようやくの思ひて卒業したら、今度は海軍へ行きたいといふのか。」
（短い間）
(さく)
「お父さん許してやりませう。
手紙で云って よこすところをみると、よくよくの決心をしてゐるのですよ。」
（市右衛門)
「しかし 少しは家のことを考へてくれたら……。」
（さく)
「お父さん あの子の言ふやうにさせてやつて下さい。 今日まであの子にやりたいことをやらせて來たのてす。あの子のすることは大丈夫でよ。 なアに あとのこと位。
あの子がまだ中學へ行ってゐると思へばなんでもありませんよ。」
(間)
かうして、母の激励に送られて、 定は昭和九年六月、呉海兵團に意氣颯爽と入團したのである。
（ぬく)


Card 12
(間)
海兵團を出て、駆逐艦早苗乘組、後 海軍水雷學校を卒へ、 舞鶴防備隊に入り、 更に海軍潜水學校を經て、 伊號第五十五 同第七十潜水艦乘組より、水雷學校高等科に転じ、昭和十五年六月 水雷學校卒業は 拔群の成績てあった。
この間勃發した支那事變は、年を重いると共に 益々拡大し、
加へてわが帝国の生命を狙わんとする米英の暴戻、日每に露骨となり、
帝国海車の使命、
(ぬきながら)
いよいよ重大になりつつあつた昭和十六年、秋のめる日、


Card 13
(さく)(うれしさうに)
「定ぢやないか。忙しいのによくおひまが頂けたなア。」
(定)
「今度はね 三日閒休暇を貰って來たんですよ。 お母さんに會ひたくってね。」
(さく)
「いつまでも 子供みたいなことを云って…。お前 なんだか顔色がよくないやうだが。」
(定)
「少し頭痛がするんだけれど、 風邪でもひいたんでせう。
お父さんは?」
（さく)
「お父さんは
山の橋が落ちたので、直しに行ってゐなさるんだが お前風邪氣味なら上って 何かお藥でものんだらどうだね?」
(短い間)
(定)
「大丈夫ですよ。
谷川の水ももう冷めたいだらうなア。
(だんだんはづんで)
お母さん 僕ちょっと行って見て來ます。」
(ぬく)


Card 14
(市右衛門)
「おい、よせよ。ぬがんでもいいよ。」
(定)
「とにかく水から上つて下さいよ。僕が代ります」
(市右衛門)
「おいよせったら……。せつかちな奴ぢゃ」
（定)
「いつも、お父さんにばかり、働かせて、ゐるんですからね。今日は僕が 徹底的に直して行きますよ。」
(市右衛門)
「大丈夫か? 定。」
(定)
「海軍ぢやありませんか。
水は平氣ですよ。」
（ぬく）


Card 15
(市右衛門)
「なあ定。どうだらう? 隊へもどるのを ー日のばさして頂いたら?
まだ 三十九度も熱があるし、お醫者樣も絕對安靜にして居らんとどんな病氣を併發するかもわからんと云って歸られたが……。」
(さく)
「風邪をひいているのに、 半日も谷川の冷めたい水に つかってゐたんだからね工。 今のうちに 手績きをして、もう一日 おひまを頂いたら どうだらうね工。」
（定）
「大丈夫てすよ。道中はバスです。起ちも這ひも出來ないのなら仕方ありませんが、動ける間は歸れますよ。」
(市右衛門)
「そんな無理をしたら、あとでこたへるぞ。」
(定)
「あとのことはともかく僕は歸ります。」
（さく）
「せっかくの休暇を 悪かったなア定―。」
(短い間)
(靜かにぬく)


Card 16
(さく)
「ほんとに大丈夫かい?」
(定)
「大丈夫ですとも。」
(さく)
「ぢや氣をつりておかへりよ。」
(定)
「ありがたう。お母さんもお達者でね。」
（妹 一）
「兄さん 今度はいつくるの?」
(短い間)
（定）
「さうだなア、
お前たちが お母さんの いふことをよく聞いて、
お留守番をして居れば 又休暇を頂いて來るよ。」
(妹 二)
「ほんとう? 」
(定)
「ほんとうだとも。」
(妹 二)
「うれしいなア。」
(ぬきながら)
（妹 二）
「兄ちやん バス來たよ。」


Card 17
(定)
「お母さん!」
二三步 行きかけた定が、 ふと立ちどまって、母を呼んだ。
(さく)
「なんだね。」
(定)
「お母さんくれぐも体を 大切にして下さいよ。」
(さく)
「それは お母さんから お前にいふことだよ。」
(定)
「お母さんには苦勞のかけ通しだったからなあ。
長生きして 仕合せに暮して下さいよ。」
(間)
それが、定の母に殘した 最後の言葉であつた。
(短い間)
(急にぬく)


Card 18
昭和十六年十二月ハ日、
開戦劈頭、挺身、敵アメリカ大平洋艦隊主力を ハワイ眞珠灣軍港に襲撃し 不滅の戰果を擧げ、身もまた護國の華と散った 特別攻擊隊九軍神の中に、上田定兵曹長は 輝かしきその名を連わてゐたのである。 九勇士が愛艇に身を託し、眞珠灣をめざして、突進したときこそ、まさに、神に近い崇髙なものであったであらう。
壯烈純忠の いさほしが ひとたび傅はるや、
国民はひとしく
ただ感謝の涙にむせんだのである。
(ぬく)


Card 19
お母さんよろこんて下さいよ。
僕たちは やりましたよ。
（間）
偉大な母の愛情に應へて、子の報恩もまた偉大であった。 いとし子のため 己をかへりみず働きつづけた 母 さくさんの忍從の勞苦は、定兵曹長の体内で、健やかに成長を遂げ、今、らんまんと 咲き匂ったのだ。
（静かにぬきながら）
そのかみの小楠公の母、吉田松陰の母、乃木將軍の母にも比すべき 軍神を、はぐくんだ 偉大な母。
国をあげての
感謝と、賞讃の聲をよそに、
(ぬく)


Card 20
軍神の母さくさんは、高原の村の朝露なふんで、 昔も今も變りなく、重い材木を 運びながら、ありし日の兵曹長の おもかげを 偲んでゐる。

(調子を張って)
氣髙く やさしく つつましい この母の姿こそ、昭和の九軍神を生んだ 日本の母の姿である。
（静かにぬく)


Card 21
いまこそ、大日本靑少年團の、團結の精神を、發揮するときです。
自分たちの 愛國の熱情を、貯蓄に現はし、皇國に献ける秋です。
團結しませう。計画しませう。 そして、必ず実行しませう。
大日本靑少年團員の 意氣と力で!　（終）

Translation of transcription

Card 22
Mother of a war god
Script: Noriko Suzuki, Illustration: Shigeru Nonoguchi,
Production: Nihon Kyōiku Kamishibai Kyōkai (The Association of Japanese Educational Kamishibai)

(Instructions on the cover)
(Read the title.)
(Pull the insert.)
NARRATOR
Late spring has finally arrived at the village of Kurasako, although the volcano Mt. Gongen is still snowcapped.
Buds of green barley have started sprouting in this high plain village, about 50 kilometers north of Hiroshima city, at an elevation of 300 meters above sea level.

(Pull the slide.)


Card 1
VILLAGER
Mr. Ichiemon, you work really hard. By the way, rumor has it your boy Sadamu will go to middle school. Is that right?

ICHIEMON
Oh, no. Whatever children say is outrageous.

VILLAGER
I hear Sadamu is a good student this year, too. Middle school is good for him but he's the eldest son. After he finishes school, why don’t you teach him how to farm. Both you and I have to make sure children grow up, so we can take it easy a little. Ha ha ha ha.
Well, I have to run.

(Pull the slide.)


Card 2
SAKU
Father, I really want to send Sadamu to middle school.

ICHIEMON
But think about it. We used to run a stable business. Our current situation, having a hard time making ends meet by cultivating fields, is not the same as before. It's out of our reach.

SAKU
I know it's a tall order, but the reason our business failed was because you didn't know how to write. I really want to have all our children educated, not only Sadamu. Please allow Sadamu to do what he wants. For that, I'll do whatever it takes. I’ll work and earn to fill the gap in tuition.

(Pull the slide.)


Card 3
NARRATOR
A piercing cold draft woke up Sadamu. He found his mother's futon empty. As soon as his parents decided to send Sadamu to middle school, his mother woke up 2 hours earlier in the morning and stayed up an extra 3 hours at night to peel kozo skins. This is to earn money for Sadamu's tuition.
Farmers typically already wake up early in the morning, so waking up two hours earlier means a 4:00 AM wakeup call.

SADAMU
I'm sorry, mother.

(Pull the slide swiftly.)


Card 4
SAKU
Sadamu, you are already up!
You should catch one more hour of sleep. You stayed up late last night to study for the entrance exam.

SADAMU
Mother, I'll help you.

SAKU
What are you talking about? Don't worry about me. All you have to do is study hard.

SADAMU
But mother, you sleep so little. I don't want you to get sick.

SAKU
I will never get sick. I'm so looking forward to sending you to middle school.

(Pull the slide.)


Card 5
NARRATOR
After peeling skin after skin, his mother's fingers are bloody. Mother always sacrifices herself for her children. No matter how hard it is, she never complains. She always works quietly. Gentle and kind-hearted mother ...
Tears of gratitude wet Sadamu's cheeks.

(Pull the slide.)


Card 6
AN OLD MAN
The Ichiemons are a little strange. While both of the parents work barefoot, their son goes to middle school in Shinjo, wearing shoes and a hat.

AN OLD WOMAN
The Ichiemons’ Sadamu is different from your son.

OLD MAN
What, what do you mean?

OLD WOMAN
Oh, did I upset you? My, I can't even joke with you.

(Pull the slide.)


Card 7
SADAMU
What happened, mother? What is this?

SAKU
I had some spare time in the fields, so I decided to help a lumber company a little. Did you finish all the homework you were working on late last night?

SADAMU
All this because I entered middle school…Mother, Mother, you even carry such heavy lumber.

(Pull the slide.)


Card 8
NARRATOR
As Sadamu reached the cedar forest on the dark road, he could not help crying behind his mother.

(A pause.)

For the next five years until Sadamu graduated from Shinjo Middle School, there was no telling how many times the same tears ran down his cheeks.

(Pull the slide.)


Card 9
NEIGHBOR’S WIFE
Ma’am , congratulations. You must be relieved Sadamu graduated with good grades.

SAKU
Indeed, thanks to everyone’s help.

NEIGHBOR’S WIFE
Now that Sadamu has finished middle school, what is he going to do?

SAKU
I think he will decide after visiting his school teacher who took care of him ...

NEIGHBOR’S WIFE
You can finally take it easy now.

(Pull the slide.)


Card 10
SAKU
I wonder why Sadamu sent a letter to us. If he has something to tell us, he can do so after he comes home.

ICHIEMON
O-saku, don't wait. Read it for me.

(A pause.)
SAKU
Since my childhood, I have yearned for the sea. After I successfully graduated from middle school, I genuinely considered the importance of oceanic development and the position of the Imperial Navy. No student from the Shinjo Middle School has joined the Navy. No Ueda man has become a soldier. Luckily, my body is healthy, I’d like to render my services to the Navy. As the oldest son, I hate to ask your help, but please ask Father for his permission.

(Pull the slide.)


Card 11
ICHIEMON
What on earth! After he finally graduated, now he wants to join the Navy.

(A short pause.)
SAKU
Father, let's allow him. He sent us a letter. He must have made up his mind.

ICHIEMON
But I only wish he thought about our family a little bit more.

SAKU
Please let him do what he says. Until today I always let him do whatever he wanted to do. What he decides to do is going to be fine. Well, we will be able to manage. We just have to pretend as if he was still going to middle school.

(A pause.)
NARRATOR
With his mother's encouragement, Sadamu exultantly joined the Kure Navy training unit in June 1934.

(Pull the slide.)


Card 12
(A pause.)
NARRATOR (continued)
After receiving training at the Kure unit, Sadamu boarded Destroyer Sanae. He joined the defense unit in Maizuru and graduated from the naval mine school. He was transferred to the upper naval mine school and graduated with the best grades in June 1940. Meanwhile, the Sino-Japanese War front expanded every year. American and British ambition in aiming at the life of our Empire became increasingly apparent. The mission of the Imperial Navy,

(As you pull the slide)

NARRATOR (continued)
became all the more critical in the fall of 1941.


Card 13
SAKU
(Joyfully)
Sadamu, it’s you? How did you get holidays with your busy schedule!

SADAMU
I am taking three days off this time. I missed you, mother.

SAKU
You say things like a child. Your complexion doesn't seem very good, though.

SADAMU
I have a headache. I probably caught a cold. Where’s father?

SAKU
Your father is repairing the mountain bridge that fell. If you have a touch of cold, why don't you take some medicine?

(A short pause)

SADAMU
I'm alright. The water in the valley must be cold by now.
(Increasingly gaining strength)
I'll go take a look.

(Pull the slide.)


Card 14
ICHIEMON
Stop it. You don't have to take off your clothes.

SADAMU
Anyway, please get out of the water. I'll take over.

ICHIEMON
Stop it. You are impatient.

SADAMU
Father, I always make you work. It's my turn today.

ICHIEMON
Are you alright, Sadamu?

SADAMU
I'm in the Navy. I'm totally fine with the water.

(Pull the slide.)


Card 15
ICHIEMON
Sadamu, how about delaying your return to the Navy by one day? You have a 39-degree fever, and your doctor ordered you to stay in bed; otherwise, you might develop a complication.

SAKU
You soaked into the cold water of the valley for half a day, although you had a cold. Why don't you apply for an extension of your holidays and take one more day off now?

SADAMU
I'm alright. I go back to the Navy by bus. As long as I can move, I'll go back.

ICHIEMON
If you push yourself that much, you’ll get worse later.

SADAMU
Whatever happens later is a different story. I'll go back to the Navy.

SAKU
I'm sorry we spoiled your holidays.

(A short pause)
(Pull the slide quietly.)


Card 16
SAKU
Are you sure you will be alright?

SADAMU
Of course, I will be.

SAKU
Take care.

SADAMU
Thank you. You too, take care of yourself.

SISTER
Brother, when are you coming home again?

(A short pause)
SADAMU
Well, if you all listen to Mother well and are good at home, I'll take another holiday and come home.

SISTER 2
Really?

SADAMU
Yes, of course.

SISTER 2
I'm happy!

(As you pull the slide)

SISTER 2
Brother, your bus is here.


Card 17
SADAMU
Mother!
NARRATOR
After a few steps, he stopped and called his mother.

SAKU
What's the matter?

SADAMU
Mother, please, please take care of yourself.

SAKU
That's something I want to ask of you.

SADAMU
I always made you endure so many hardships. Please live long and happily.

NARRATOR
These were Sadamu’s last words to his mother.

(A short pause)
(Pull the slide quickly.)


Card 18
NARRATOR (continued)
On December 8th, 1941,
Senior master sergeant Sadamu was amongst nine war gods of Showa, who attacked the US main naval fleet in the Pacific at Pearl Harbor and achieved incredible results. These war gods dedicated themselves to the nation and perished like flowers in defense of the country.
When they boarded the planes for Pearl Harbor and attacked the enemies, they must have been elevated as close to the gods as possible. This brave, patriotic story was reported in Japan; the Japanese people couldn't help but weep with gratitude.

(Pull the slide.)


Card 19
SADAMU
Mother, be joyous.
I did it!

NARRATOR
(A pause)
Sadamu responded to his mother's great love, and his gratitude was equally magnificent. Sadamu's mother selflessly worked hard for her son. Saku's endurance and hardship gloriously bloomed in senior master Sergeant Sadamu's body.

(Pulling the slide quietly)

NARRATOR (continued)
A great mother comparable to the mother of Shōnankō, the mother of Yoshida Shoin, the mother of General Nogi.
The great mother who nurtured a war god.
While the entire nation was exalting Sadamu in gratitude,

(Pull the slide.)


Card 20
NARRATOR (continued)
The mother of the war god, Saku is carrying a heavy load of lumber as usual through the morning dew in a high plain village. She misses master Sergeant Sadamu.
(In a high pitch)
This mother is an exemplar of a Japanese mother, who gave birth to one of the nine war gods of Showa. She's respectful, kind, and modest.

(Pull the slide quietly.)


Card 21
ARRATOR (continued)
Now is the time to demonstrate the united spirits of the Great Nippon Youth Group.
This fall, it's time to show our passionate patriotism and dedicate ourselves to the empire, by saving.
Let's have a united front.
Let's plan ahead. If we do so, we will realize our goal.
Together with the spirit and the power of the Great Nippon Youth Group!

(The end.)

Scope and contents

Nonoguchi Shigeru 野々口 重 (artist); Suzuki Noriko 鈴木紀子 (author); Nihon Kyōiku Kamishibai Kyōkai 日本教育紙芝居協会 (producer); Nihon Kyōiku Gageki Kabushiki Kaisha日本教育画劇株式会社 (publisher)

Language

Japanese

Script

Japanese (alias for Han + Hiragana + Katakana)

Genre/form

Prints

Collection information

Collection title

Kamishibai collection

Collection ID

2018C32.12417284

Collection abstract

Japanese illustrated paper play sheets, intended primarily for children and women at the homefront and dealing with World War II propaganda themes.

Rights

No known restrictions.

Holding repository

Hoover Institution Library & Archives

Preferred citation

"軍神の母 Gunshin no haha" (Mother of a war god), 1942 June 10, Kamishibai collection, Hoover Institution Library & Archives, https://n2t.net/ark:/54723/h3330c

Identifiers

Record ID

2018C32.00011

Permalink

https://n2t.net/ark:/54723/h3330c

RefID

3d419c2236e66482f559d575263674ca

EZID

ark:/54723/h3330c

Digitization information

Imaging system

IQ180, Phase One

Capture date

2018-07-08T10:50:54-07:00