"信愛の道 Shin'ai no Michi" (Path to devotion), 1941 July 15

Date

1941 July 15

Summary

Genshichi, with his new assignment to manage a mining construction site in Hokkaido, overcame a plot against him by trusting his ex-convict employees and giving them responsibilities. Responding to his trust, Sengo and Kumasaburo, the worst of the ex-convicts, swore to abandon their life of crime as they helped deliver food and cash to the construction site. When the construction was complete, they were awarded for being model workers.

The moral of the story is that every citizen can be of service to the nation when they put their hearts to it.

Archival processing title

"信愛の道 Shin'ai no Michi" (Path to devotion)

Transcription

Card 24
司法保護画劇(その二)
信愛の道
サンデ—每日懸賞一等入選
司法保護協會提供
原作・戯禮 雨太郞
脚色・小林 良雄
作画・大河内 健次郞
1(表 紙)

Card 1
こゝは、東京のあるビル。
左近田組の事務所の前で、二人の男が、中の話を聞い て居ました。
（靜な對話調で）
甲 「ナアおい、社長の代理は、誰に決まるだらう」
乙 「野毛さんか、元七さんかな」
（拔き乍ら話す）
甲 「いや、中村さんか、轟さんだらう」

Card 2
（前場に続けて）
乙 「轟だって?、ふざけるない、あんなオイボレに、 あの大工事の采配が、振れるものかい」
（気色ばんだ聲色で）
甲 「なんだと?、野毛の癇癪持に、あの難工事を、切 り廻せるかよ、第一、貫禄がないや」
乙 「なにを!」
（抜き乍ら説明）
二人はとうとう、はげしい言い争いを、はじめました。

Card 3
事務所の中では，
（調子を変えて説明）
左近田社長が、中風で自由のきかない左手を、右手で
グッと握って……
左側に並んだ、野毛、中村、轟、元七、各帳場頭と、右側に並んだ、幹部社員を眺め乍ら、
（ゆっくり、老人らしい調子でアクセントを強く）
左近田社長「儂は、この通り、中風の身體、今度の北海鑛山 開鑿工事には、出向いて行けん。
で、儂の代理に行って貰ふ人を、色々考へて見た。 この工事は、人の和を得なければ、完成できんよっ て、儂は、人を使ふ事の上手な、元七帳場を、儂の代 理に、中村帳場を、副代理に決めた」
（普通に抜く）

Card 4
社長代理が決定した夜。
轟帳場は、野毛帳場と、人夫係の黑木を、自分の家に
呼んで―
（臺詞一寸銳く）
轟「殘念ながら、我々は、落ちた。 然し、ここによい事がある。元七帳場の率ひて行く、人夫、六百人の中に、刑務所を出たばかりの、暴れ者を、七・八十人入れてやるのだ。そして工事を遲らせれば、元七の奴は、音を上るだらう。その次に出てゆくのは、俺と、野毛さんの二人だ」 すると人夫係の黑木が………
（煽動する気持で）
黑木「そいつはいゝ、前科者、渡り者、工事場荒しなど、札つきの七、八十人の中には、疾風の詮吾や、その弟の熊三郞が居りますぜ」
早めに拔く

Card 5
（驚いた調子で）
野毛「なに? 疾風の詮吾と、熊がゐるって?、奴等は、 もう刑務所を出たのか」
野毛は、その時、左の頰に、凄い疵のある，療風の詮吾と、暴れる事では人に負けない、弟の熊三郞を頭に描いて考へ込みました。
（低い調子で）
野毛「そうか、疾風と、熊がゐたのか。奴等には俺も、怖い目に遭ったっけ………。
（獨語的に）
あの二人が行って暴れたら、元七の奴も、二月とたゝ
ねえ內に、音を上げて、逃げ歸るだらう。こいつは巧
く行きさうだ」
早めに技く

Card 6
（調子をかへて やや高い匂調で説明）
こゝは、北海道の、新鉱山建設工事場です。山を切り開いた平地には、事務所や、人夫小屋が建ち並び、起重機なども、据付けられました。
大勢の人夫達は、トロッコを押して、土砂の運搬作業
に大童です。
（拔き乍ら脫明）
現場監督は、「しっかりやれ！」と盛んに、怒鳴って居ります。

Card 7
一方、事務所では，元七帳場と・中村帳場が、人夫の
名簿を調べ乍ら、，
（思ひ入れたっぶりに）
元七「ウーン、惡い奴等が、這入ってゐるぞ。疾風の詮吾に、熊三郞の奴、何時、刑務所を出たんだらう」
（驚き聲で）
中村「エッ?、疾風と熊が……こいつは、惡くすると、 一と荒れ、荒れるかな」
元七「ウン、この名簿を見ると、性質のよくない、札付きが、七、八十人も、入ってゐる」 二人は、心配さうに、呟きました。
その時―
（サット拔く）

Card 8
（前場に続いて畳み込んで叫ぶ、強く高く）
喧曄だーッ!、喧曄だーッ！！
（早めに說明）
叫ぶ聲に、元七と、中村が、突張窓から、下を眺める
と、十人位の人夫が、鶴嘴や、シャベルを、手に手に、走って行きます。
中村「疾風の詮吾かな」
元七 「さあ、どうとも云へ ないな」
（サット拔く）

Card 9
（たたみこんで いきほひよく）
喧嘩は、鶴嘴組と、トロッコ組の爭ひでした。 それを仲裁した、疾風の詮吾が毆られたので、弟の熊三郞が、眞赤に怒って、兄貴の仇を取らうと、ひしめい
てゐたのです。
（强く、制する 氣持ちで）
詮吾「熊ッ、止せッ！
此處で怒ったら、おしまひぢやねえか、この場は、俺
が我慢してるんだから、いゝぢやねえか」
（拔き乍ら說明）
兄の詮吾は・弟の熊三郞を、しきりになだめてゐるのでし た。

Card 10
（シンミリした語調で）
詮吾「なあ熊、お前は、刑務所を出る時、敎誨師の言っ た事を、忘れやしないだらうな。
（教誨師らしく調子をかえた語調で
「天子の赤子」の所で演者は敬虔な気持ちで頭を下げながら説明する）
『お前達は 天子樣の赤子だ。その度胸と、その腕と で、しっかり、正道を踏みしめて步くんだ。そのため には、どんなつらい事や、苦しい事があっても、我慢するんだ』
（詮吾の声にもどる）
と、おっしゃったらう。
（抜き乍ら）
その時、俺達は何んと、言つた?」

Card 11
（詮吾の声色、但し教誨師の前で云っている調子で強く明るく）
『私達は、 今後、どんなに口惜しくとも、どんな辛い事 があっても、ヂッと我慢します。
（特に力を入れ）
私達は、立派な日本人でゐたいのです。誰からも、後ろ指をさゝれない、
（「天子様の子」の所は演者も礼をしながら）
天子樣の赤子でゐたいのです。
前科者かも知れません が、私達は、心から、生れ變った人間になります』
（詮吾と熊三郎の対話に戻る）
さう云ったらう。
それを何んだ。あれ位の事で、腹を立てたりして」 熊三郎「兄貴、すまねえ」
拔く

Card 12
(調子をかへて ゆっくり說明)
人々が疾風の詮吾、暴れ者の熊三郞と、怖れおのゝく 二人は、かくも、眞人間になってゐるのでした。併し、人々は、それが判りません。
ニ人が肩を並べて、去りゆく姿を、ヂッと見守ってゐる、
拔き乍ら說明
一人の人―それは，元七帳場でありました。

Card 13
事務員「帳場さん。
（高い調子で早口で）
大變です。驛に食糧品や、二萬七千圓の現金が、着いてゐるさうですが、增水のために、土手が崩れて、卜ラックが通れないさうです」
（如何にも困った風に）
元七「現金もゝ食糧品も、今日使ふんだが、困ったね」
事務員「崖崩れの場所は、人間なら、どうにか渡れます。人夫を二、三十人連れて行って、運ばせたらどうでせう」
（斷乎とした語調で）
元七「人夫の人選はゝわしに任せてくれ。信用のおける奴をやらう」
（早めに拔く）

Card 14
（强い高い調子 で、呼びかけ るやうに）
元七「オイ、みんな。驛に、存前達の給料、二萬七千圓と、食糧品が、着いてるんだが、川の土手が崩れてトラックが通れないんだ。崩れた所だけ、皆んなに運ん で貰ふため、この內から、二、三十人行って貰はうと 思ふんだが、何にしろ、大切な仕事だから、俺が、指名しゃうと思ふ。名を呼ばれた者は、此處へ出て來てくれ………」
（特に强く、ゆっくり）
詮吾! 熊三郞! 文雄! 山作! 勘二……
意外! 元七帳場の指名する顏振れは、詮吾や熊を筆頭 に、いづれも前科者ばかりではありませんか！
（早めに拔く）

Card 15
ゾロゾロ、山を降りてゆく、廿人の顏振れを見て、驚いたのは、中村帳場です。
（仰天した聲で）
中村「アッ！詮吾が居る、熊も居る、それに文雄も、勘二も……これは驚いた。何も、選りに選り好んで、あんな、危險な連中をやらなくてもよささうなものだ」
（サット拔く）

Card 16
仰天した中村帳場が、元七帳場に文句をつけると、元 七帳場は、眞顏になって、
（强く、高い調 子で、靜にゆ つくりと一句 一句力を入れ て）
元七「中村さん。儂は、あの連中を絕對に、信用してゐるのだ。
人と云ふ者は、信用されると、仲々罪を犯せないものだ。殊に彼等は、親兄弟にさへ、見離されてゐる。
（「天子様の赤子」と云ふ所で演者も敬虔な気持ちで頭を下げ乍ら説明する）
その彼等を、引立てゝやるのが、我々の務めだと思ふ。 彼等だって天子樣の赤子なんだ。
（特に力を入れて）
しかも、彼等は、二度と刑務所には行くまいと、心に 誓ってゐるのだ。
それを、我々が、冷たい態度で接したら、彼等は一體ど うなって行くだらう。彼等だって、立派な日本人にな らうと，努めてゐるんだ。その彼等に、差別待遇をす るのは、間違ひとは思はまいかね」 と云はれた中村帳場は、一言もありませんでした。
（靜に拔く）

Card 17
一方、走るトラックの上では、問題の詮吾や、熊等が 感激して話し合って居ります。
（この場面の会話は、すべて感激した語調で強く、明るく）
詮吾「おい皆んな、俺は生れて、こんな嬉しい想をした のは、始めてだぞ。我々みてえな者に、二萬七千圓と云ふ大金を無條件で、委してくれるなんて、思っただけでも泪が出らあ」
熊三郎「元七帳場は、やつばり偉いなア。あの人の爲なら、皆んな、命を投げ出そうぜ」
詮吾「さうだともさうだとも、俺達をこんなに信用してくれる人も、この世の中に、ゐると思ふと、もう二度と、刑務所なんかに行くやうなことは、出來ねえぞ」
文雄「全くだ、俺達は、今それを誓はふぢゃねえか」
（明るい調子で静かに抜き乍ら説明する）
かうした人達を乘せた、トラックは、北海道の高原を、走って行くのでした。

Card 18
（前場と気分をかえるため調子をかえて）
一方 東京では、北海道の工事場から來た・手紙を・ 轟帳場が讀んで居ります。
（思惑が外れた氣持で）
「そんな筈はねえ。あの疾風の詮吾と、熊三郞が誰
よりも仕事に精を出して、模範從業員にまってゐるなんて、不思議だ。まあ野毛、見てくれ。この手紙のやうな有樣だ」
云はれた野毛は、短氣ですから，早呑込みをして了ひ
ました。
（カットなった語調で）
野毛「おい轟、貴樣は、元七の奴等と、グルになって、 俺に一杯喰はせたな，何時迄、白ぱくれるんだ！」
（サット拔く）

Card 19
（憎しみをもつた言葉のやりとりの思入れで）
轟「何を! 變な事を云ふと、承知しねえぞ」
野毛「承知するも、しねえも、あるものか。この、かたりめ！！」
とうとう二人は，猛烈な取ツ組み合ひを、始めて了ひ
ましたが、その時、いたいけな野毛の娘が飛び込んで來たので、娘の手前、その喧嘩もことなく 濟みました。
（靜に拔く）

Card 20
（詩情たっぷりなきれいな調子で、静かに）
その年の夏のことです。
北海道の工事場にも、村の祭の，賑な神楽囃の音が、 聽へて來ました。村は、祭禮で、軒並みに、提灯が螢の樣に輝いてゐます。
村の子供達は、今日を晴れと着飾って、鎭守樣へ行くのでした。
（靜に拔く）

Card 21
（調子を高めて）
工事場の空地に張りめぐらされた、紅白の幔幕。 その入口には、『開鑿工事模範從業員表彰式場』と書いた 立看板が、立って居ります。
（特に明るく）
人夫達が、この式場にくり込んで來る。その從業員の中には、詮吾や，熊三郞の、晴やかな顏も、見られました。
（靜に拔く）

Card 22
式場では、東京から，遙々やって來た、左近田社長が、中風の左手を、右手でさゝへて、滿足さうな笑を、浮べて居ります。
（祝詞的な落ちついた朗読調の声色で
第四場のやうな、社長のアクセントを加味する）
左近田社長「諸君、この大工事、この難工事も、諸君の熱ある、奮鬪、努力によって、今日晴の、完成祝賀會を見 ることの出來た上、模範從業員の表彰をなし得る事を 儂は、心から嬉しく思ってをる。
今後共に、職域奉公の誠を、全身に込めて、產業建設 の使命に、努力せられん事を、希望する……」
（靜に拔く）

Card 23
拍手が起った。その拍手の中で、表彰狀を受け取った、 詮吾と熊三郞は、溢れ出る喜びを、隱くすことが出來なかった。
（感激的な調子で）
詮吾「熊! 俺達は、立派な、日本國民になったぞ。嬉しいなあ」
熊三郎「兄さん。この氣持で、何處迄も、のしてゆこう、 頑張らう! 突進しやう！！」
（強く明るく、調子をぐっとあげて熱を込めて説明し終わる）
新しき信愛の道へ！ 希望の門出に、今、大地を踏み しめて立った二人を、祝ふが如く、村の祭の太鼓の響は、 一きわ賑かに、聞えてくるのでした。
（完）

Translation of transcription

Card 24
Judiciary protection performance No. 2

Path to devotion

The first prize winner of Sunday Mainichi
Provided by the Association of Judiciary Protection
Script: Utarō Girei
Editor Yoshio Kobayashi
Illustration Kenjirō Ōkōji

Cover

Card 1
NARRATOR
This is a building in Tokyo. Two men are listening in front of Sakonda's office.

(Quiet dialogue)

MAN 1
Yeah, I wonder who is going to be the acting president.

MAN 2
Perhaps Noge or Genshichi.

(As you pull the slide)

MAN 1
No, it's probably Nakamura or Todoroki.

Card 2
(Continuing from the previous slide)

MAN 2
Todoroki? You must be kidding. No way that old man can manage a big construction project.

(In an upset tone)

MAN 1
What are you talking about? Temperamental Noge can’t be in charge of the difficult construction site. First of all, he doesn't have an air of importance.

MAN 2
What!

(As you pull the slide, explain)

NARRATOR
The two finally started a fierce quarrel.

Card 3
NARRATOR (continued)
In the office,
(Change the tone and explain)
President Sakonda grips his left hand, disabled by gout, with his right hand.
As he looks upon Noge, Nakamarra, Todoroki, Genshichi, and all the head accountants lined up on the left, and the executives on the right,

PRESIDENT SAKONDA
(Speak slowly and enunciate like an older man)
As you know, I have gout, and I cannot go to the North Sea mining development construction site.
I considered whom I can send on my behalf.
Since this construction requires achieving harmony among the workers, I decided to send Genshichi, who is good at managing people, and accountant Nakamura as the vice head.

(Pull slide normally.)

Card 4
NARRATOR
The night when the acting president was announced,
Accountant Todoroki invited account Noge and Kuroki, who was in charge of the workers, to his home.

TODOROKI
(Read the line a with a little intensity)
Unfortunately, we failed.
However, I have a good idea.
Accountant Genshichi is going to lead workers.
Among the 600 workers, let's plant 70 to 80 violent ex-convicts.
If they delay the construction, Genshichi will give up.
After that, Noge and I will take charge.

KUROKI
(As if abetting him)
That's a great idea.
Among the 70-80 criminals, who are ex-convicts, vagabonds, and construction looters, we have Sengo the Gale and his brother, Kumasaburo.

(Pull the slide quickly.)

Card 5
NOGE
Is that right?
Sengo the Gale and Kuma are already out of jail?

NARRATOR
Noge imagined Sengo the Gale with the intimidating scar on his left cheek, and his violent brother Kumasaburo, in his mind.

NOGE
(With a low tone)
So the Gale and Kuma are back then. They’ve intimidated me before too.

(Speaking to himself)
If the two ruin the construction, Genshichi would give up and run away within two months.
It's going to work.

(Pull the slide quickly.)

Card 6
NARRATOR
(Change the tone and explain in a high pitch)
This is the new mining construction site in Hokkaido. After the mountains were cleared on the plain, an office, workers’ cabin, and cranes were established.
All the workers are busy, pushing trollies and transporting soil.

(As you pull the slide, explain)

NARRATOR (continued)
An onsite manager can be seen frequently shouting,
“Work hard!”

Card 7
NARRATOR (continued)
In the office, accountants Genshichi and Nakamura were checking the workers’ roster.

GENSHICHI
(With a lot of posing for effect)
Wow. We’ve got some bad ones in this crowd.
I wonder when Sengo the Gale and Kumasaburo got out of jail.


NAKAMURA
(In a surprised tone)
Really? Sengo the Gale and Kumasaburo…If we don’t handle this well, we may have a storm ahead of us.

GENSHICHI
This roster shows 70-80 people who are known for their bad nature.

NARRATOR
The two murmured worriedly.
Then,

(Pull the slide quickly.)

Card 8
NARRATOR (continued)
(Continue from the previous slide and shout vehemently at a high pitch without a pause)
A fight! A fight!
(Explain quickly)
Genshichi and Nakamura looked down from the window, and saw about ten workers running with picks and shovels in their hands.

NAKAMURA
It’s Sengo the Gale, isn't it?

GENSHICHI
You don’t know that yet.

(Pull the slide quickly.)

Card 9
NARRATOR
(Speak rapidly without pausing)
The fight was between the pick and trolley groups. Sengo the Gale, who tried to mediate the conflict, got punched. His brother Kumasaburo was enraged and was shouting that he would get revenge for his brother.

SENGO
(In an intense and controlled tone)
Kuma, stop it!
If you lose your temper, that will be the end of the story.
I'm keeping myself under control, so never mind that.

(As you pull the slide, explain)

NARRATOR
Sengo, the older brother, repeatedly tried to calm his younger brother Kumasaburo.

Card 10
SENGO
(In a solemn tone)

Kuma, you haven't forgotten what the prison chaplain told us when we left the prison, have you?

(To the performer:
Change the tone like a prison chaplain and explain humbly while bowing at the words “children of the Emperor”)

SENGO (continued)
“You're all children of the Emperor. You should walk a path of righteousness with your courage and skills. To do so, you have to endure hardship no matter how difficult it is.”
(Back to Sengo's voice)
He told us that, didn't he?

(As you pull the slide)

SENGO (continued)
Then what did we say to him?

Card 11
SENGO (continued)
(Sengo's tone strongly and brightly as if speaking in front of the prison chaplain)
"We will endure, no matter how frustrating or difficult that hardship may be."
(With particular emphasis)
(To the performer: Bow when you say "the Emperor's children")
"We want to be respectable Japanese citizens. We want to be the Emperor's honorable children. We may be ex-convicts, but will be born new."
(Go back to the conversation between Sengo and Kumasaburo)
That’s what we said. And yet you get upset over a trivial thing like that.

KUMASABURO
Brother, I'm sorry.

(Pull the slide.)

Card 12
NARRATOR
(Change the speed and explain slowly.)
Sengo, known as The Gale, and The Brute Kumasaburo, who had always intimidated people, have now turned into righteous people. However, not everyone understands this.

The people watched the two depart,

(Explain as you pull the slide.)

NARRATOR (continued)
And one of those onlookers --was accountant Genshichi.

Card 13
CLERK
(Speaking quickly in a high pitch)
Accountant, we have a situation. The food and 27,000 yen in cash appear to have arrived at the station, but our truck cannot pass through due to the landslide caused by high water levels.

GENSHICHI
(An air of dismay)
That's troublesome. We need the cash and food today.

CLERK
A human would be able to barely pass through the location of the landslide.
Why don't we send 20 to 30 workers to carry the food and cash?

GENSHICHI
(In a determined tone)
Let me choose which workers will go.
I’ll send trustworthy workers.

Card 14
GENSHICHI
(In a robust and high tone as if calling out)
Hey, everyone.
Your salary, 27,000 yen in cash, and food have arrived at the station, but the truck cannot pass through because the riverbank has collapsed.
I want 20-30 people to help transport the goods and the money through the affected area.
Since it's an important job, I will appoint who is going.
Please step forward if I call you.
(Particularly strongly and slowly)
Sengo! Kumasaburo! Fumio! Yamasaku! Kanji…

NARRATOR
How unexpected! The individuals that accountant Genshichi appointed were all ex-convicts like Sengo and Kuma!

(Pull the slide quickly.)

Card 15
NARRATOR (continued)
Accountant Nakamura was surprised when he saw the 20 workers who were descending the mountain slowly.

Nakamura
(In an astounded voice)
Sengo is here.
Kuma is here, and Fumio and Kanji.
This is surprising.
Why, of all people, would you choose to send such dangerous people to do the job.

(Pull the slide quickly.)

Card 16
NARRATOR (continued)
Astounded, Nakamura complained to Genshichi, but Genshichi’s face became serious as he said,

GENSHICHI
(Enunciate slowly at a high and robust pitch.)
Mr. Nakamura, I absolutely trust them.
Humans, once trusted, are rarely able to commit a crime.
Particularly, the parents and siblings of these individuals have given up on them.
(To the performer: Humbly bow at the words, “the Emperor's children”)
It's our duty to support them.
After all, they are the Emperor's children.
(With particular emphasis)
They have sworn never to return to prison. What would they become if we treat them coldly? They’re trying to be respectable Japanese citizens.
Don't you think it's a mistake to discriminate against them?

NARRATOR
Nakamura had nothing to refute.

(Pull the slide quietly.)

Card 17
NARRATOR (continued)
On the truck, Sengo, Kuma, and the others in question were moved and were discussing amongst themselves.

(Perform all the dialogue in this slide in a strong, moved, and bright tone)

SENGO
Hey, everyone. This is the first time I’ve felt so delighted.
They unconditionally entrusted us with 27,000 yen in cash.
When I think about it, I have tears in my eyes.

KUMASABURO
Genshichi is a great man.
Anyone would dedicate themselves to him.

SENGO
That’s right.
When I think that there’s someone in this world who trusts me so much, I could never commit another crime and land myself back in prison.

FUMIO
I couldn't agree more. Why don’t we all swear to it right now.

(Explain in a bright tone as you pull the slide quietly)

NARRATOR
The truck that carries them runs through the plains of Hokkaido.

Card 18
NARRATOR (continued)
(Change the tone from the previous slide)
Meanwhile, in Tokyo, Todoroki is reading letters from the factory in Hokkaido.

TODOROKI
(In an surprised tone)
This could not be right. Weirdly, Sengo the Gale and Kumasaburo are working harder than anyone to become model employees.
Hey, Noge. Come see this letter.
Short-tempered Noge jumped to a conclusion.

NOGE
(In an enraged voice)
Hey, Todoroki. You conspired with Genshichi and played a trick on me.
How long are you planning to feign ignorance!

(Pull the slide quickly.)

Card 19
(Conversing in a hateful tone)

TODOROKI
What! I won’t forgive you if you say something outrageous.

NOGE
Forgive me or not, I don’t care. You swindler!!

NARRATOR
Finally, the two started a fierce fight.
Just then, Noge’s innocent daughter jumped in, and the two stopped fighting.

(Pull the slide quietly.)

Card 20
NARRATOR (continued)
(In a poetic, beautiful, and quiet tone)
That summer, the vivid kagura music could be heard at the factory and the village festival in Hokkaido. Lanterns at every house were glowing like fireflies at the festival. The village children are dressed up to go to the village shrine today.

(Pull the slide quietly.)

Card 21
NARRATOR (continued)
(In a heightened tone)
Red and white drapes decorate the empty lot of the factory. A signboard at the entrance says “The Award Ceremony of Model Employees.”
(In an exceptionally bright tone)
The workers are entering the ceremony site.
Among them, Sengo and Kumasaburo appear with smiles on their faces.

(Pull the slide quietly.)

Card 22
NARRATOR (continued)
President Sakonda, who came all the way from Tokyo, smiles satisfied and supports his paralyzed left hand with his right hand.

PRESIDENT SAKONDA
(Like a ceremonial reading. Add the president's accent like in slide no. 4)
Gentlemen, I'm delighted from the bottom of my heart that your passion, hard work, and effort helped accomplish this grand and difficult construction. On top of that, we can award the model employees.
Going forward, I wish you'll continue to make a wholehearted effort to be of service to industrial construction.

(Pull the slide quietly.)

Card 23
NARRATOR (continued)
There was a round of applause. Sengo and Kumasaburo, who received award certificates, could not hide their overflowing joy.

SENGO
(In a moved tone)
Kuma! We’ve become respectable Japanese citizens.
I'm overjoyed.

KUMASABURO
Brother, let's try hard and proceed forever with this commitment!!

NARRATOR
(Finish explaining with a bright, strong, and passionate tone.)
A new path to devotion!
The sound of the village taiko drums echoes as if celebrating the pair as they stand firmly on the path to a bright new life.

(The end.)

Scope and contents

Girei Utarō 戯禮 雨太郞 (author); Kobayashi Yoshio 小林 良雄 (editor); Ōkōji Kenjirō 大河内 健次郞 (artist); Dai Nihon Gageki Kabushiki Kaisha 大日本画劇株式会社 (publisher). Judiciary protection performance No. 2 司法保護画劇(その二); The first prize winner of Sunday Mainichi サンデ—每日懸賞一等入選
Provided by the Association of Judiciary Protection 司法保護協會提供.

Language

Japanese

Script

Japanese (alias for Han + Hiragana + Katakana)

Genre/form

Drama

Collection information

Collection title

Kamishibai collection

Collection ID

2018C32.12417284

Collection abstract

Japanese illustrated paper play sheets, intended primarily for children and women at the homefront and dealing with World War II propaganda themes.

Rights

No known restrictions.

Holding repository

Hoover Institution Library & Archives

Preferred citation

"信愛の道 Shin'ai no Michi" (Path to devotion), 1941 July 15, Kamishibai collection, Hoover Institution Library & Archives, https://n2t.net/ark:/54723/h3hg7j

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2018C32.00014

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Imaging system

iXG 100MP, Phase One

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2020-11-11T14:23:17-08:00